正直、自分が若くない、ということは判っていた。
60歳を過ぎたら「ばあさん」と呼ばれても仕方がないのだということも。
けれども、その他は若い時と変わらない、と思っていた。
多少無理は効かないし、多少行動は鈍いし
針に糸を通すとき、虫眼鏡がいることも
辞書を調べるとき、虫眼鏡がいることも
ペットボトルの蓋を外すのが大変になったことも
全部大したことのないことだと思っていた。
自分の努力で、そのくらいは補えるのだと思っていた。
年を取るとね、嫌だけど、どうしようもないことがいろいろ起きる、と解ったのは最近
最初は、人が死ぬことだった。仲の良かった友達が、突然くも膜下で死んだ。
61歳だった。
彼女とは、一緒にランチに行ったり、ボーリングに行ったり、楽しい時間を過ごしていたのに、もうそういうことができなくなった。かなり寂しい。
仲の良かった、田舎の従姉妹が65歳で脳溢血で死んだ。
しつこいが時々電話で話していた従兄弟も60歳で突然死した
(朝起きたら死んでいたそうだ、今のところ心臓麻痺だろうと言われている)
友達の一人は腰痛で出歩けない。友達の一人は精神的に病んでしまった。
友達が二人ほど、持病が悪化して、外出が無理になった。
自分が年を取ると、唖然とするほど周りの人がいなくなる。
そんなことは考えたこともなかった。
遊び相手がいなくなるのが寂しいいうのは自分の勝手だが、寂しくて仕方がない。
知人の一人が「早く死んだ者勝ちね」
と言ったけど、そんな気がすることもある。
60代でこれなのである。唖然とするばかりである。
70代になったら、知り合いが誰もいなくなるのじゃないか? と考えてしまう。
自分のこととしては、腰が痛い。今、腰痛体操をやっているけど、なんとなく心細い。
あと、歯が悪くなった。半年に一度、歯の定期検診に行っているのだが
前歯に小さな虫歯が見つかった。他にも危ない歯があるという。
頑張って歯磨きしたら奥歯が知覚過敏である。どうしたらいいんだろう?
今週末に歯医者に行くので相談してみるつもりだけれど。
確実に体力が落ちている。あちこちからミシミシと身体の不調がやってくるようで怖い。
私は一人っ子で孤独に強い、と思っていたけれど、それは勘違いだったみたいだ。