上の画像を見て欲しい。
これが加賀まりこのデビュー作である。
ここに写っている女性が加賀まりこだ。
口元を見て欲しい。
歯並びと口の形だ。
目元を見て欲しい、目尻が下がっている。丸い目ではない。
1962年である。
実は私は子供の頃、藤木孝のファンであった。^^;
藤木孝、というのは上の画像に一番大きく写っている男性だ。
ツイスト男、ということで1~2年活躍した。
藤木孝は歌手であったが、当時、渡辺プロダクションを辞めて
仕事を干された。
干されている時に 篠田監督に誘われて主演した映画がこれだ。
藤木孝の演技は上手くはなかった。
今、藤木孝は70歳をゆうに越え、それでもミュージカル俳優だ。
藤木孝は歌は上手かった、だが演技は下手だった。
そこを鑑みて到達したのがミュージカル俳優という道だったと思う。
私は藤木孝のファンであったのけれど、この映画が上映された頃は
まだ幼かったので映画館では見ていない。
成人してからビデオ屋で、借りて見た。
その時、藤木孝の相手役がデビューしたばかりの加賀まりこであった。
今では小悪魔&可愛い女優の代表のような加賀まりこだが
デビュー時は泥臭い、普通のお嬢さんだった。
口元の感じと目元の感じが最盛期とはぜんぜん違う。
目元は二重であったが、最盛期のような鈴を張ったような
丸い大きな目ではなかった。
だが、このデビュー作で加賀まりこは、世に知られるようになった。
この映画の加賀まりこは美人ではなかったが、コケティッシュな魅力があった。
それは、個性というものであり、個性が美を越えたのだと思う。
デビュー作は1962年であるが、その2年後に出演した映画では
こういうふうに顔が変わっている。
明らかに目元と口元に手が加えられている。
口元、というのは単に歯並びの問題であったのかもしれないが。
私がすごいな、と思うのは、大衆の目だ。
デビュー時、泥臭い普通のお嬢さんだった加賀まりこは
それにもかかわらず、人気が出た、
その後、おそらく目と口に手を加え、
あのキュートな加賀まりこになったのだろうが、
ある意味、それだけの手加減で、あのキュートな加賀まりこができた、
ということは、元々の素材がいい、ということだ。
昔の女優さんでも、整形手術をしていた人は何人もいる。
デビュー作の普通のお嬢さんの中に、大衆は、キュートで
小悪魔の加賀まりこの芽を見つけていたのだ。
すごいことだと思う。