私は今も貧乏だけれど、学生時代はもぅと貧乏だった。
もう40年前だけど、東京で風呂無し25000円の部屋に住んでいた。
銭湯は、歩いて5分のところにあったけど、毎月10万で暮らしていた。
(学費などは別)
今でも覚えているけれど、麺つゆが買えなくて、いつも醤油と砂糖と
みりんとだしの素で、麺類のつゆを作っていた。
まあ、普通といえば普通かもしれないけど、その頃、258円の麺つゆを
買うのが惜しかった。
ペットボトルの飲み物は買わない、とかお菓子はあんまり買わない
とか、まあ自分なりのルールを作って暮らしていた覚えがある。
それでも10万(バイト5万、仕送り5万)でちゃっかり、1ヶ月1万円くらい
貯金していた覚えがある。一体どうやって暮らしていたんだろう?
友達に旅行に誘われれば1泊くらいだったら1年に1度位行っていたし。
でも、月に1度、私のところに遊びに来る母が見かねて、時々ブラウスなどを
買ってくれていた^^; その頃、持っていた洋服は少なかったけれど、下着などは、安物でも自分でちゃんと買い換えていた。
ヨレヨレの下着を付けていた覚えはない
学生時代の貧乏は、就職すれば何とかなる。ということで
私自身それほど深刻に思っていなかったし、結構楽しんでいた。
実のところ、本当に暮らせなかったら実家に帰ればいいし
みたいな考えもあったことは確かである。
アルバイト先に困ったこともなかった。
だが、最近の貧乏は私の時代と程度が違うらしい
一番びっくりしたのはパンツ(下着)を2枚しか持ってない
という女の人に会ったことだった。
「えっ?」
その方は、会った途端にそんなに貧乏に見えなかった。
ジーンズにTシャツ、スニーカーという格好がよく似あっていたし
元々美人さんなので、化粧なしでも全然おかしくなかった。
「パンツは2年前、50円のを2枚買って、ずっとそれを履いてる」
私も通販で1枚280円のパンツを10枚セットで購入している人間だが
私の周りの方々は、1枚1000円くらいのパンツを普通に買っているから
私は自分がかなり貧乏なんだな、と思っていた。
が、50円のパンツが2枚だけしかない、という話は結構衝撃だった。
1枚50円のパンツだったら、せめて10枚位買っておかないか?
(ちょっと違うか?)
あと、彼女は、色のついた飲み物を長いこと全然飲んでいない
と言っていた。これはペットボトルの飲み物のことではない。
茶葉が買えないのだそうだ。飲み物は水道の水だけ。
うーん、茶葉の買えない貧乏は、味わったことがなかったな。^^;
でも、そうやって、工夫しながら(?)一人で生きていく彼女は
えらい。私は自分が、いいかげん貧乏な人間だ、と思っていたが世界は広い
甘ったれた自分に、活を入れた日であった。