私は東京生まれなので、近所のタンポポといえば黄色だった。
春になると道端に咲くのはずーっと黄色いタンポポだった。
子供の頃から植物が好きだったので、よく植物図鑑を見ていたのだが
その中に白い色のタンポポがあるのを見つけた。
関東ではタンポポは黄色いものばかりだが
関西の方ではタンポポの色が白いという。
小さい頃の私は無性に白いタンポポが見たかった。
初めて白いタンポポを見たのは
家族で新宿御苑に遊びに言った時だった
御苑の片隅に一株のシロバナタンポポがあり
白いタンポポが確かに咲いていた。
その時、私は小学校の高学年だったと思う。
白いタンポポを見つけたので、私はすごく嬉しくて、親に
「白いタンポポがあったよ! 白いたんぽぽだよ!」
と訴えたのだが、親は白いタンポポに興味がないようだった。
それから60歳を超えるまで、関東で白いタンポポを3回位みかけた。
しかし、それが自分のところに来るなんて1ミリも思わなかった。
先日、自転車に乗って、黄色い髪の毛のおばさんの庭の前を
通りかかった。
美輪様以外で 黄色い頭の婆様を初めて見た ^^; - 美しく老いる、60代女性のダイエット、美容、健康のためのブログ
・・・黄色い髪のおばさまのお庭を眺めると、
そこに白いタンポポが咲いているのである。
私はびっくりして、タンポポを見つめていると、
家の中から黄色い髪のおばさまが出てきたんだ。
「白いタンポポがあるんですねえ」
と、私が話しかけると、おば様は
「うちの山から取ってきて植えたんだよ、山には沢山咲いている」
とおっしゃった。どうやらおばさまは山を持っているらしい。
その日は、庭にある植物について雑談していた
「きれいな口紅水仙ですねえ」
と言ったら、おばさまは、何気なく口紅水仙を引っこ抜いて私にくれた。
その日は、口紅水仙を頂いて家に帰った。
だが、どうしてもシロバナタンポポが欲しい。
「そうだ、今度、おばさんに白色タンポポの種を貰おう、種なら貰えるだろう」
それから数日後、おばさんの庭の前でシロバナタンポポを見たら
ちょうどよく綿毛が開いている種があった。もってきた袋に種を摘んで
いれていると、おばさんが、家から出てきた。
「あっ、すいません、白いタンポポの種を頂いてました」
と私が言うと
「白いタンポポ欲しいの? どれ、1本抜いてあげようかね」
と、言ってくださった。
「えっ、そんな悪いですよ、タンポポは根が深いですし」
と、遠慮する私。
「いやいや、いいんだよ。白いタンポポは何株もあるから」
何故かおばさんは右手に小さいスコップを持っていた。
そして、またたくまに、シロバナタンポポを抜いて私にくれた。
・・・私はちょうど良く大きなビニール袋を持っていた。
気をつけて見ると、おばさんの庭には白いタンポポが5~6株あった。
種が飛んで増えたらしい。
その他、おばさんは、珍しい薄いピンクの紫蘭の株や
切り花用にオダマキやツキヌキニンドウの花をくれた。
薄いピンクの紫蘭はあまり見たことのない色で嬉しかったが
何よりも子供の頃から、50年位、夢にみていた(大げさか?)
シロバナタンポポの株が自分の手の中にあるのが信じられない気がした。
このシロバナタンポポの成長は数回に分けてお伝えいたします。